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水質モニタリングはどのように進化してきたのか

著者:ザイレム・チーム

Aquaculture Environmental Monitoring & Analysis Analytics Water Quality Japan Blog

Japan Blog: 水質モニタリングはどのように進化してきたのか

水質モニタリングの進化

森の中で一本の木が倒れたときに、周りに誰もいなかったとしたら、倒れる音はしなかったことになるのでしょうか。

もちろんそんなことはありません。同じ概念があらゆる種類の水質モニタリングにも当てはまります。24時間365日体制でモニタリングしなければ、パズルの重要なピースを逃すことになり、環境について十分に理解することはできません。

観測プラットフォームタイプの水質計の登場によって、水質の現地測定が容易になりました。各種の水質センサーを強固な筐体で保護し、データを水質計本体のメモリーに記録できる水質計が、長期間の無人水質モニタリングの扉を開いたのです。この常時モニタリングによって、科学者は夜間の状態を観察し、概日周期をグラフ化できるようになりました。

測定者が現地にいなくても、離れた場所から昼夜を問わず、長期にわたってモニタリングできる水質計は、水質モニタリングに革命をもたらしました。

ついにさまざまな水域の状況を把握できるようになったわけです。

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水質観測の新境地を拓く

1990年代半ばに6000UPGによって業界をリードしたのがYSIです。6000UPGは重さ約3kgで、最長120日間の観測を実現した計器です(消費電力が大きいワイパーを必要とする溶存酸素(DO)と濁度センサーを使用する場合、バッテリー寿命は45日間)。6000UPGを現場に設置しておけば、最大15の水質項目を測定し、最大15万の測定値を256 KBの内部メモリーに保存できます。数cmの水深から150mの海中にまで対応できる、この最初の水質計により、科学者はかつてない方法で事象とその関連性を観測できるようになりました。

6600および6920シリーズの水質計によってクロロフィルセンサーと藍藻類センサーが導入され、その後導入された光学DOセンサーでは、両プラットフォームとの下位互換性が確保されました。

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長期連続モニタリングに向けた継続的な取り組み

Aquatic Informaticsが2012年に実施した世界規模の業界調査によって、長期連続水質モニタリングに向けた、水質の専門家による長期にわたる取り組みの動向が明らかになりました。

2012年の調査では、回答者の44%が、主要な測定対象について長期連続モニタリングを実施していると答えました。その一方で、単発的な採水や水質測定を実施しているとの回答は30%でした。

更に、将来利用することが予想される技術については、2022年までに人力での採水が大幅に減少し、マルチボトルによる自動採水や多項目の長期連続水質モニタリングが急激に増大するとの回答が得られました。

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水質計の境界を超えて

その後、新世代の技術によって多項目水質計を再定義したのが、現在のEXOシリーズ水質計です。長年にわたる顧客からのフィードバックを考慮した結果、EXO水質計は長期無人モニタリングを簡単に行える性能を備え、カスタマイズも無制限になっています。変化し続けるモニタリング、調査、コンプライアンス分野のニーズに応える製品です。EXOは単なる水質計を超えた、1つのプラットフォームだと言えます。

EXO水質計では、個々のセンサーごとに取付ポートの形状が異なるスタイルを改め、あらゆるEXOセンサーに対応する統一化された仕様のデジタルポートが採用されています。これらのスマートセンサーにはプラグアンドプレイ機能が搭載されており、各センサーが自動認識されるとともに仕様なども内部メモリーにも認識されるため、水質計本体は接続されているセンサーを即座に検知し、データ収集に備えることができます。

こうしたスマートセンサーにより、技術者は各測定項目のセンサーを6本まで稼働させつつ、全てのキャリブレーションをラボ内で実施できるようになります。またキャリブレーション済みのセンサーを現場に配備されている水質計に接続すれば、センサー接続後の再キャリブレーションも不要で、計器全体を交換するのと同等の効果が得られます。EXOプラットフォームには、栄養素モニタリング用のNitraLED硝酸塩センサーなど、新しいセンサー技術を組み込むことも可能です。

ユーザーがどのようなセンサーでも接続できるのがEXO技術です。
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さらに堅牢かつスマートに、使いやすく

YSIは現在に至るまで、水質計技術を進化させてきましたが、進化した各機能は驚くほど簡単に使用できるようになっています。センサーポート部の統一により、防水コネクターもシンプルになり、EXO用の耐衝撃やチタン溶接ハウジングにより、非常に堅牢かつ軽量になりました。

内部メモリーには最大100万の測定値を保存でき、またBluetooth通信によってデータ収集も効率化されています(USB出力によってPCと直接接続することも、データロガーやテレメーターシステムへの有線出力も可能です)。EXOはケーブルモニタリングシステムとの統合も簡単です。
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生物付着防止対策 / センサー自動クリーニング機構

YSIのセンサー用の銅合金センサーガードは、長期間配備されるEXOの生物付着を化学的に防止します。

また、業界をリードする、シングルブラシワイパーシステムでは、物理的なアプローチでセンサーの汚れや生物付着を自動的にクリーニングします。

かつては画期的な装備であった、センサーごとに組込まれた小型の自動洗浄ワイパーを進化させることで、シングルブラシワイパーシステムが生み出されました。EXOプラットフォーム用の全てのスマートセンサーは、中央にある1個の回転ブラシによってクリーニングが行われるように設計されています。

この大型のブラシは硬質なため、生体膜、軟体動物、水生植物を効果的に除去できるだけでなく、小型のセンサーパッドに比べて耐久力に優れ、メンテナンスも容易です。小型のモーターを複数使用する代わりに、1台の強力なモーターを装備し、エネルギー効率と信頼性を高めています。

結果的に、YSIのシングルワイパーシステムにより、従来型のゾンデモデルに比べてEXOゾンデの観測期間が25%長くなりました。
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キャリブレーションと画期的なQC

キャリブレーションは長い間、多大な労力と時間、費用を要するプロセスでした。

スマートセンサーには内部メモリーが搭載されており、水質計本体とは異なり、全てのキャリブレーション情報とセンサー設定がセンサー内蔵に収録されています。このようにセンサー設計が根本的に変更されたことで、機器のセットアップの複雑な部分についてユーザーにて容易にできるようになりました。

「この計器では、YSI製品を導入することで、重要なプロセスやキャリブレーション、準備作業について、リアルタイムのフィードバックが得られるようになっています」と、アプリケーションの専門家Mike Lizotte氏は述べています。

KORキャリブレーションソフトウェアを活用することで、スタッフはラボ内の全センサーのキャリブレーションをすばやく効率的に実施できます。また経験の浅い技術者でも、現場でのメンテナンスとセンサー交換が容易に行えます。
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YSIの並列キャリブレーション機能により、技術者は同じタイプのセンサーのキャリブレーションを複数同時に、同じ基準で実施できます。

またEXO水質計にセンサーを取り付けて、アンモニウム、ORP、クロロフィル、DOなどによる湖の富栄養化を調査し、また河川での別の調査では、DO、pH、fDOM、水温を測定するためにセンサーを再構成することができます。同じゾンデとポート、同じハンドヘルドデータロガーのまま、再キャリブレーションをスピーディーに実施し、センサーを簡単に再構成することができます。

これら全てにより、大幅なコスト削減が実現します。YSIの計算によれば、EXOのスマートセンサーのキャリブレーション手順改善により、水質計のキャリブレーションに必要なコストが、大幅に削減できます。

水質計の進化により、データの精度が大幅に向上し、反復的な測定が可能になりました。必要なメンテナンスも軽減されています。EXOプラットフォームは、進化した最先端の多項目水質計です。筐体にはチタニウム処理が施され、防水コネクターを備えたスマートセンサーにより、データ干渉や損失のリスクが解消されています。SmartQCの統合により、一貫して信頼性に優れたデータが収集され、また業界をリードする耐ファウリングワイパーによって、より長期にわたる配備も可能になっています。かつてなく広範な水質パラメーターを設定できるEXO水質計は、あらゆる水域での測定ニーズに応えます。